僕らは玩具の銃を手に。/10
早朝眠っているロイを起こさないように自宅に戻り、出勤の時間になってから何事もなかったようにいつも通りホテルに迎えに行った。
ハボックなりに気をつかったつもりだったが、声くらいかけてから出て行けとロイは幾分拗ねた様子だったので、たまらなくなってキスをしたら調子に乗るなと怒られた。こんなやりとりも今日で終わる。
一年前に敵として出会って、偶然の再会から一週間。たった一夜限りの恋。
別れたら忘れてしまっても仕方がないほどの出来事ばかりだったけれど、これもひとつの成就のかたちなのだろうか。
司令室で北方司令部の司令官に短い挨拶を済ませ、ハボックの運転する車で駅まで行く。
これも最後だと思うと、すきだと思っていたバックミラーにうつるロイの横顔も酷く淋しさを呼んだ。でもホークアイもいる手前、滅多な話はできない。
駅にはそれでも見送りの人間が何だかんだと来ていた。中央に恩を売っておきたい人間はいくらでもいるのだ。
しかしロイも大総統の代理という立場もあり、無碍には出来ずあれこれの挨拶に終われ、話す機会もないままハボックはただ三歩後ろで控えるしかなかった。
最初は近すぎると思った距離が、今は酷く遠くに思えた。
昨日はあれほどこの腕の中で可愛く鳴いてくれたのに、出会った頃のような無表情で他人のような顔をして。
きっとこうやって忙しさに追われて過ごすうちに、いつか自分を忘れてしまうだろうと思うと、ますます気分は陰鬱になった。望みすぎだと言い聞かせても、気持ちは際限なく傾く。
時計をちらりと見ると、もうわずかばかりの時間しか残されていなかった。ふたりきりで話す時間はないだろう。
これからも彼とは生きる世界が違う。
今は収まっているが宙ぶらりんのままの火種はあちこちにあり、この国はまたどこかと戦争をするだろう。
自分は再び戦場で銃を取り、彼は中央で頂上を目指す。
ロイにとってはうつくしい思い出というほど上等なものではないだろうが、通りすがりの景色程度のものかもしれない。
すべるようにノースシティ駅へ黒い汽車がやってきた。まだ挨拶の終わらないロイの荷物を運び込み、ホークアイへ簡単な挨拶を済ませると、あとは旅立ちを見送るのみになった。
「ハボック」
汽車の出発を知らせるアナウンスが流れ、見送りの人間たちがようやくロイの傍から離れたその時、ふいにその唇が己の名を呼んだ。
もう時間もないのに何事だろうと、いちばん後ろに控えていたハボックは小走りで目の前に行けば、手を出せといわれて大人しく差し出す。
ロイはコートの内側から黒いものを取り出し、ハボックの胼胝のできた掌にのせた。そのずっしりと重たい無機物はいつぞや没収された銃である。
「マスタング中佐?」
「これはお前に返す」
「でも、俺には必要ありません。殺すための銃を持つなと言ったのは中佐でしょう?」
「殺すのは銃じゃない。殺すのはいつだって人だよ」
「………」
「お前がどう思っているかまでは知らないが、お前の指は人を殺すための指じゃない。この銃も、確かにいまは必要じゃないだろう。でもいつか―――」
そこでロイは一度言葉を切った。
最後だからという居直りなのか、それとも溢れ出た本心からなのか分からなかったけれど、人前で一度だってハボックを気遣うそぶりなど見せなかったロイが、いつも密かに見惚れていた指でそっとハボックの手のひらを包んだ。
「いつか、この手が誰かを傷つけるためじゃなく、誰かを守るために引き金を引くときのために」
「……中佐、俺……」
胸が痺れてうまく言葉が出ない。
このまま永遠の別れを迎えてしまうのかもしれないと、子供みたいな心細さに苦しさを覚える。
最後なのに、なんてことを言うのだろう。
ゆっくりとロイの台詞を反芻して、その守る誰かをまたこれから探せというのだろうか。
優しくする素振りで、冷たく突き放したり、そのくせ最後の最後で抱きしめてくれたり。
ホークアイとの間にある安心と信頼で繋がれた関係を築き上げてきたなんて自信はない。それでも彼以外の誰のために。
目がすこしだけ優しく見えたのは、甘えだったのかもしれない。
そんなハボックを遮るように警笛がホームに鳴り響く。最後までは聞かないと言うように、ロイも背を向ける。
一歩進んだところで悠然と振り返った。
まるで遠い昔のことみたいだけれど、ほんの一週間前に再会したときの彼も同じ仕草で立っていた。
「お前がそんな人に出会えることを祈ってるよ」
だから死ぬな。生きて生き延びて、いつか本当に。
はじめて見た笑顔。どこか遠い場所へ向ける頑なな笑みではなく、焔の中から精錬されたガラス細工のような、そんな綺麗で透き通った顔だった。




あれから半年がたった。ハボックはもう一度引き金を引く訓練をはじめた。
はじめて銃を握ったときのように無心に戻って、今度は自分のためにではなく、誰かのための引き金を。
死なないためにではなく、誰かのために生きるという目標を見つけたことは、少しくすぐったいような不思議な気持ちにさせたけれどそれほど悪くはなかった。
そして多分、自分はようやく見つけた。
得体の知れない何かに突き動かされるのではなく、ちゃんとこの目で、この足で、この手で。
随分回り道になってしまったけれど、その時間すら今は甘く掠めるような昂揚をもたらしてくれる。
北方司令部から汽車に揺られること丸三日。トランクひとつだけ持って、ハボックは目的地のある短い旅に出た。前にこんな風に汽車に乗ったときは何も持たず、何の目的もなかったけれど。
駅に降り立って天を仰ぐ。空は青く、この地独特の乾いた風が頬をなでた。
最近は色の付いた夢を見るようになった。
その中でいつもこの胸を落ち着かなくさせ、甘く燻らせるのは鮮やかな青い服とどこまでも美しい黒い瞳。
十代のガキじゃあるまいし、と半ば呆れながらも走り出しそうになる気持ちは抑えられない。
出会いが偶然ならば、再会は必然で、三度目は出会いたいと願う引力。
アメストリスの軍旗の垂れ下がる灰色の堅牢な建物を見上げて、勇ましく一歩を踏み出した。
本当は軍人局に寄ってあれこれの手続きをしてからでないと着任は認められないのだが、それすらも我慢できずに道行く人間を捕まえて執務室の場所を聞き出した。
扉一枚。いつか酷く二人を引き離した距離。
躊躇いそうになってぶるぶると頭を振る。柄じゃない。過去を思い出してセンチメンタルになるなんて。
派手な音を立てながら扉を開けた。部屋の中には会いたいと願っていた人がひとりで書類の山に埋もれていた。
「……ハボック?」
「お久しぶりです、マスタング中佐」
切れ長の黒い目を丸くして、半年振りに己の名を呼ぶ。
その後しばらく幽霊か幻覚でも見ているかのような顔で、まるで時を止めてしまったみたいな沈黙が流れた。
一応ちゃんとした辞令はおりているし身元証明書も司令部に届いているはずだが、きっと彼はロクに目も通していなかったのだろう。忙しい人だ。
書類を追いやるとつかつかと傍らによって、下から覗き込まれる。
やっぱりこの角度がいちばん落ち着くなと、黒真珠のような目を見つめる。
目は口ほどに物を言う、とは東の国の格言らしいが、ロイもふざけた言動をしていてもいつも全力で真剣だった。幼い顔つきに不似合いなほどに強烈な光を灯し、空気さえも揺るがすような力で。
どれほどそうしていただろうか。
ロイは憑物が落ちたように驚いた、と吐息のように漏らしてからゆっくりと表情を崩した。
「戦場に行ったのではなかったんだな」
「ええ、おかげさまで今は准尉です」
あれから北方司令部で司令官に願い出て、対テロリスト専門の前線部隊の一員となった。
目的が出来たからにはハボックはがむしゃらに任務に励み、もともと仕事はできる男なので当然のように頭角を表した。ハボック自身にはオマケ程度のものだったが、まともに士官学校を出ていない人間としては異例とも言えるスピードで准尉にまで昇進した。
それで少しは差も縮まったが、依然として彼との間にある差は大きい。けれど気持ちの問題として近くなったことは嬉しい。
「准尉はいいが、着任の挨拶を済ませる前にもう銜え煙草か?」
「あ、スイマセン」
「だいたいお前、軍人局には行って来たのか?」
「いや、まだっス……」
「手続きは三時で打ち切るぞ。ここは猫の手も借りたいほど忙しいんだ。今日中に手続きを済ませてちゃんと配属してもらえ。明日からは馬車馬の如く働いてもらうからな」
「分かってますよ」
「あと将軍のところへ挨拶に行く前に制服もきちんと着ておけ。いくら乾季で暑いからって乱れすぎだ。なんだ、寝癖までついてるぞ」
お説教は延々続きそうな勢いだった。感動的な再会を期待して心をときめかせていたわけじゃないが、これはどうなのだろう。人として。
若干ふて腐れつつ右から左へ聞き流していたハボックの耳にひとつの言葉が止まった。
「……その銃の使い方は決まったのか?」
そのひとことにはっと顔をあげる。ロイの目はハボックの腰にぶら下がっているホルスターを見つめていた。
かつて愛用していた銃を収めた皮のホルスター。けれど、これはあの日から一度も使っていない。
もしかしたら、素っ気無くするのは心配の裏返し。我侭で強情で勝手で、でもとても素直な人だから。
「ええ。そのために東方司令部に来ました」
「どうするんだ?」
指で銃を撃つかたちを作ってみる。まっすぐにロイの向けて引き金を引く仕草をして見せた。
「あんたを護るための引き金を引きに」
この半年間考えて考えて、ここしかないと思った。ここにしかないと思った。
本当は最初から決まっていたのかもしれないけれど。
ハボックの言葉に瞬間、花が綻ぶような顔をして、それでもその唇からはあの可愛くない言葉ばかりがでてくる。
「随分遅かったな」
「俺としても多少は考えるところもあったんです」
「その頭も飾りではなかったというわけか」
「ひっでえ……」
くすくすと笑いながらロイは検分するよう、ハボックの周りをぐるりと見回してから顎に手を当てた。偉そうなポーズが嫌味なほどに似合うのも相変わらずだ。
「ふむ……だが、私の護衛にするにはそのままでは見栄えが悪いな。せめて士官にはなってもらわないと中央へも連れて行けん」
「は?士官?無理言わないでください。そんな星じゃらじゃらぶら下げたら身動きしにくくて敵わない」
「当たり前だ。私の傍に縛り付けておくつもりで呼んだんだから、あっちこっちに逃げ回られたら叶わない。ほら、少しかがめ」
膝を曲げて頭ひとつ低いロイと目線を合わせる。ロイはポケットから何かを取り出して、ハボックの首筋に手を伸ばした。
一瞬、キスでもしてくれるのかと淡い期待をしたのだが、勿論ロイはそんなに甘くはない。
けれどそれは、ハボックを有頂天にさせるのには充分だった。
しゃら、と涼やかな音を立てて銀の鎖が胸元に落ちる。
「中佐、これ……」
「特製の首輪だ。無駄にならずに済んでよかったな」
半年前になくしたままになっていたドッグタグ。
ハボック自身は存在すらもう忘れかけていたが、ロイはいつ必要になるか、必要になるかすらも分からないそれを手にずっと待っていてくれたのだ。
鎖には二枚のプレートと、お茶目心なのか案外本気なのか、永遠に結ばれるなどという文句のついたペアリングが一つだけ付けられている。
束縛を嫌い、誰にも懐かなかった狼に鎖を付ける気なのだろうか。
大丈夫、今は遠くてもまだ走り出せる。あの時誓った約束はまだ忘れていない。
ロイがくれた。誰かを傷つけるためではなく、守るための力を。彼を守り、いちばん高いところまで押し上げる。
それがこの胸に誓った約束。
この腕が指が足が身体が。
いつか。
うつくしい夕焼けをロイとふたりで見ることがあるような、そんな気がした。




「何であんたがこんなトコにいるんですか!」
「私が出てきたほうが早いだろうが!」
東方司令部は毎日が戦いだった。テロリストの討伐から災害時の復旧作業に果ては迷子犬探しまで。
戦場を駆け回っていたときのような本能だけに忠実な躍動感は味わえなくなったが、そんなときよりもずっと毎日が充実していた。
信頼できる仲間、守るべき存在、生きる意志。
かつて煩わしいと思ったそれらも、今ならたいせつだと抱きしめることができる。
相変わらず故郷には一度も戻っていないのだが、それは暇がないだけの話できっと何の隔たりもなく向かうことができるだろう。今頃なら収穫前のうつくしい金色の畑を拝むこともできるはずだ。
まだしばらくは忙しい日々が続くだろうことは目に見えているが、もし絵空事を言ってもいいのならロイとふたりで、あの一面の黄金色の大地を見せてあげたいと思う。
柄じゃないと思いつつ、今すぐには無理でも何年後でもいいからと淡い期待も拭えない。
「早いとか遅いとかそういう問題じゃありません。司令官が最前線に来ていいはずがないでしょう」
「……だが」
「だってもかってもありません!イイコだからここは俺に任せて下がってください。ね?」
後方で指示を出しているはずの人間が突然横に現われて、思わずライフルを落としそうになった。
相手はたいしたバックもない寄集めの武装集団で、大集団や知能派グループに比べればさほど厄介な相手でもないが、町の治安維持が仕事の憲兵の手に負える相手ではないし、すぐに軍が出動した。
ロイ直属の司令部直属部隊の一員として護衛をする傍ら、一小隊を率いるハボックは有事の際は最前線に立つことも多い。
彼自身も以前のように階級もなくひとりで走り回っていられた特殊部隊ではなのだから、あまり一人で危険な行動をすることは誉められないのだが、少なくとも司令官がたったひとりで前線までやってくるのよりはずっとまともなはずだ。
「いっつもそうやって私を除け者にするだろう」
「そう言っていっつも聞かないのは誰ですか?とにかくあんたは絶対下がっといてください」
はじめて彼とこうやって横に並んだときは、慣れない護衛の仕事で他のことなど目をやる余裕もなかったが、東方司令部で本格的に護衛術を学び正式にロイの護衛官となってからは、彼がいかに無鉄砲で前線が好きかに頭を悩ませることのほうが多い。
それでも最初は大人しく従ってロイをどうやって守るかを考えたが、今は叱ってでも安全な場所に戻すことにしている。東方司令部には司令官よりも偉い副官がいるので、多少の暴言は黙認されているのが現状だ。
「……お前も昔は可愛かったのに」
頬を膨らませて不機嫌を装うが、ここで甘い顔をしたらどつぼだ。分かっているのについ釣られてしまって、何度あとで痛い目を見たことか。
「四年も経ったらいい加減馴れますよ」
「もうそんなになるのか?」
通りで二十歳の小僧も可愛くなくなるはずだと、自分が三十路手前に差し掛かっていることを差し置いて失礼なことを言ってくれる。
でも確かに、自分も二十代半ばに差し掛かってあれからまた背も少し伸びて顔立ちも大人びたと思うし、考え方も姿勢も大分落ち着いてきた。
ホークアイも髪の毛を伸ばしてますます美しさを増しているが、ロイだけはまったく変わらない。
子供っぽい容姿を気にしているようだが、顔立ちだけでなく、時に憎くも思うほどのエキセントリックな性格も、ふと表す優しさも何も変わっていない。
良いところも悪いところも、ハボックが憧れたもののままだった。
ハボックが黙ってしまったのでロイがその横顔を見上げれば、眼差しは真剣で普段緩そうな口元はしっかりと引き結ばれたままだ。
もとが可愛い顔立ちとは言えないだけに、小者ならそれだけでびびってしまいそうな迫力がある。
「……そんなに怒らなくてもいいじゃないか」
「怒ってませんよ。ただ、あんたは変わらないなあって思って」
「む。馬鹿にしてるのか!」
「逆です。本当は少しだけびびってました。俺の知らない間に東方司令部でちゃっかり司令官になっていて、追いかけていったあんたが変わってたらどうしようって」
何年かかってもいいからと、中央司令部に異動届を出すつもりだったのが、ふとしたことからロイが東方司令部に異動してそこの司令官になったと耳にしたのだ。
出世には中央で活躍することがいちばんの近道だが、ロイを疎んだ上層部の陰謀ともロイに期待をかけている大総統があえて僻地に送り込んだとも聞いたが、田舎の司令部では権力のあるものは特に保守的に走りやすい。
好き好んで田舎から田舎へと渡り歩く人間は少ないため、比較的早く東方司令部への異動届は受理されたが、それでも半年かかってしまったのはハボック自身の気持ちの整理もあった。
だから三度目に彼と向き合ったとき、泣きそうなほど嬉しかったのは秘密だけれど。
「お前は変わったな。あの頃はぴりぴりしてまるで手負いの狼だと思ったが、今はすっかり犬だな」
「そりゃどういう意味ですか…」
「言葉どおりなんだが」
「はいはい、あんたの犬ですよ。ご主人様」
掛け合いをしている間に相手は痺れを切らしたのか、銃弾がバリケードに何発か打ち込まれ、一瞬で軍人の目付きに戻る。
戦場の空気は今でもすぐそこにある。玩具の銃を握り締めてゲームのようにただ白黒つけるためだけに走り回った日々は。
だけど自分はもう迷わない。もっと平穏で安全な暮らしを望んでいないのかと問われれば、迷わず首を縦に振る事は難しいかもしれないが、ロイのために引き金を引けるかと問われれば迷わず首を縦に振る。
「どうやら無駄話をしている時間はなさそうだ」
庇うように前に立つハボックの後ろで、ロイがサラマンダーの紋様の施された発火布を手に嵌める。
悔しいが、自分ではヒューズやホークアイのように彼を支えることなんてできないし、それどころかまだまだ支えてもらっているばかりだ。けれどどこで何が起ころうとも、ロイの牙となり盾となる覚悟はできている。
ロイがいちばん上の椅子を手に入れるまで。
緊張する空気に誰もが呼吸さえも潜める。振り切るように大きく息を吐く。
吐きながら誓う。他の誰でもなく、この胸に。自分自身に。
彼がどんな困難にぶち当たっても、その歩みが止まらないように、まっすぐに歩けますように。
くだらない人間やつまらない蔑みに、その瞳に輝くものが翳らないように。
破壊を生み出し強く前へ導くロイの手に比べて、己の手はとても未熟で非力だ。力の差ではない。心の持ちようの話だ。
でもそんなこの手でも誰かを護ることができるのだとしたら、きっとそれは自分を生きるためにではなく、生かすための力となるだろう。
だから、この引き金を引く。
ロイを振り返ると、力強く頷いた。ライフルを置き、代わりにホルスターから銃を抜く。
血が高鳴って早まる鼓動は止められない。そんな胸のうちを見透かしたようにロイがハボックの心臓の上に、発火布を嵌めていないほうの手をそっとあてた。
「援護してやる、行け」
「yes,ser!」
本物の銃を握り締めた。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送